粟津祐逸賞

 

詩人 粟津祐逸の感性を思ったとき、「粟津祐逸賞」創設のことを憶いだした。

號とふたりでその生涯を辿っていた。

小学校からの帰り道、袈裟をつけた黒衣の祐逸氏とすれちがったことがある。

百日紅の木があった。鮮明な写真(瞼の)になっているのは、氏が「詩を書いている人」と

わたしは知っていたのだった。いかにして知っていたのだろうか?

父母の日々は繁忙であったし、教えてくれる人など誰もいないのだが

………しかし、わたしは知っていた。

「第一回 粟津祐逸賞」は米屋猛詩集『曉闇 自転車に乗って』に決定した。

米屋氏よりもわたしたちの方が喜びだった。それから號は旅立ってしまい、

賞は終えた。 (Tomoko)

                            『曉闇 自転車に乗って』1999年5月 思潮社

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