粟津祐逸 短歌

黒衣の歌人

 

 

大空(たいくう)の念仏とかいてゆく辺(あたり)に昼顔がわづか草に影を置いてる

われら棲む僧院もまた修羅界か 老いたる父と寤寐に語らず

白鳥の遠くで鳴いているをきき雪をほつほつ食べてみるなり

親鸞が枕にしたるかど石もかくやとおもう浪あらき磯

                     歌集「八郎潟」より 

 

  

  

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