黒衣の詩人 粟津 祐逸俳号・爽明)

あわづ ゆういつ(そうめい)詩人、歌人、俳人。俳号は爽明(1915--1973)
秋田県男鹿市船越、円応寺住職(俳優・粟津號の父)歌集「八郎潟」(村山書店)etc


俳句

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短歌2

 

 私が俳優を志望したのは父・祐逸のすすめである。私が大学三年の冬、父に進路を相談した。十九世の住職にいずれなる身。とりあえず教師か。
「おまえも夢のない男だなァ 住職? それは弟にやらせたっていいんだよ。おまえ、夢はないのか? 中央でパッと活躍してみたいとか」

 父は新聞記者になりたかったらしい。祖父は医者になりたかった。十八人の歴代住職それぞれにやりたかった夢があり、なかにはそれを断念し跡を継いだ先人もいたに違いない。父はそんな立ち枯れた夢たちを思い、十九世となる息子に、別なる希望や才能があれば叶えてやりたいと考えたものか。
「おまえは中央に出て、やりたい夢を目指せ」 
粟津 號「俳優がゆく」より


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